2016年5月29日日曜日

清流の里 三島 そして世界遺産

三島にある佐野美術館は刀剣を主体にした美術館。国宝刀剣の展示があるたびにこれまでも何度か足を運んでいます。今回も未見の国宝数点が展示されることとなった企画展を目当てに三島に出かけました。そして、8年前に一度訪れたことのある柿田川湧水公園も訪れました。しかし、あまりの天気のよさにさらに「世界遺産」にまで足を進めました。 2016年12月
■清流の里 三島
三島駅を降り、駅からすぐ近くの公園「寿楽園」に入ります。ここは、小松宮彰仁親王の別邸(寿楽館)として造営された自然豊かな市立公園で、国の天然記念物及び名勝に指定されています。

寿楽館前の小浜池は、今回はだいぶ水位が低くなっていました。この水位は毎日計測され、同園のホームページにも掲載されています。また、三島は「伊豆半島ジオパーク」の一部となっており、公園内ではあちこちに溶岩が露出し、富士山から流れてきた溶岩の様子も観察もできます。

寿楽館と小浜池
▲寿楽館と小浜池
寿楽園から流れ出た源兵衛川沿いに歩きます。富士山の麓に位置し多くの湧水に恵まれた三島は川沿いに散策路が整備されています。

源兵衛川 寿楽館付近
▲源兵衛川 寿楽館付近

源兵衛川
▲源兵衛川

源兵衛川 川の中の散策路
▲源兵衛川 川の中の散策路
川の中で水生植物の掃除をしている方がいました。三島の清流は地元の人に愛され、地元の人たちの手によって美しさが維持されているようです。

きれいに手入れされた水生植物
▲きれいに手入れされた水生植物
■東洋一の湧水量 柿田川湧水群
国道1号線を西に歩き三島市を出て清水町に入ると、柿田川公園の案内板が見えてきました。
柿田川は富士山からの伏流水が「わき間」から湧き上がり、雄大な流れとなって駿河湾に注いでいます。柿田川公園はこの源流域を公園として整備したもので、親水公園として人々に親しまれています。

柿田川公園入り口
▲柿田川公園入り口
第一展望台は国道1号線のすぐ脇にあります。階段を降りると、眼下のあちらこちらに「わき間」があるのがわかります。わき間から湧き出た水はすぐに柿田川となって流れていきます。
わき間を見ると、水の中で砂が舞い上がっているのがよく見えます。地球の息吹を感じると言えば
少し大げでしょうか。

こんこんと水が湧き上がるわき間
▲こんこんと水が湧き上がるわき間 
わき間から湧き出た水はそのまま柿田川となります。
▲わき間から湧き出た水はそのまま柿田川となります。
柿田川の流れ
▲柿田川の流れ
第二展望台からはほぼ真下に大きなわき間があります。身を乗り出して覗きこむと、どこまでも吸い込まれそうな気持ちになります。「深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いている」とはまさにこのことを言うのではないでしょうか。

第一展望台下のわき間
▲第一展望台下のわき間
芝生広場では公園を訪れた人たちが散策やおやつなどを思い思いに楽しんでいます。
また、散策路も整備されて自然観察も楽しむこともできます。

親水公園
▲親水公園
工場の井戸として使われていたわき間
▲工場の井戸として使われていたわき間
芝生広場
▲芝生広場

■国宝鑑賞 そして世界遺産へ
柿田川公園を後にして散策路を歩きます。途中、この地域の水中花であるミシマバイカモ(三島梅花藻)を復元、育成している「三島梅花藻の里」に立ち寄り、道路を挟んだ佐野美術館で国宝刀剣などを鑑賞しました。

三島梅花藻の里
▲三島梅花藻の里
佐野美術館
▲佐野美術館(展示棟は別の建物)
さて、本日の予定はこれですべて終わりとなりましたが、あまりにも天気がよい上に時間もまだあったので、世界遺産韮山反射炉まで足を延ばすことにしました。

伊豆長岡駅前で自転車を借りて韮山反射炉に到着しました。ここに来るのは2度目ですがまず驚いたのは観光客の多さ。前回来たときは閑散としていたのに大型バスで次々とツアー客が到着し、人であふれかえっています。また、駐車場の拡張工事も進められ、案内施設も移設工事が行われており、「世界遺産効果」を目の当たりにした思いです。
この日は天気も良く、他の観光客の合間を縫って反射炉の写真を撮りました。

韮山反射炉
▲韮山反射炉
また、隣の茶畑からは、富士山と韮山反射炉という二つの世界遺産を見ることができます。いい天気なので期待をして展望台に進みました、残念ながら富士山の前だけに雲がかかり、「ダブル世界遺産」を楽しむことはできませんでした。

美しい茶畑
▲美しい茶畑
この後、願成就院を訪ねましたが、観光客であふれ返る韮山反射炉とは違い、国宝の運慶作の諸仏を静かに鑑賞することができました。伊豆長岡駅に戻ると偶然間もなく特急が来る時刻だったので、特急券を買いゆっくりと座って帰りました。

韮山反射炉と富士山
▲韮山反射炉と富士山(雲の向こう)

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