神奈川県藤沢市にある
遊行寺(
清浄光寺)は、
一遍上人ゆかりの時宗総本山。「
一遍聖絵」などの国宝を有するほか、境内は自由に散策することができ、地元の人たちの憩いの場となっています。
今回は境内にある遊行寺宝物館で開催されている「
真教と時衆」を見るために遊行寺を訪れました。2019年9月
■遊行寺境内散策
遊行寺へ行くには
藤沢橋から歩きましょう。歩道の傍らにある「
江の島弁財天道標」は江の島絵の道筋に建てられた道標のひとつ。「管鍼術(かんしんじゅつ)」を考案したという
杉山検校が寄進したものと伝えられています。
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▲江の島弁財天道標 |
赤い欄干の小さな橋を渡って見えてくるのは遊行寺の
青銅製灯籠と
惣門です。この門をくぐると緩やかな坂道の
いろは坂。春にはサクラがきれいに咲くことでしょう。
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▲遊行寺惣門 |
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▲遊行寺いろは坂 |
いろは坂を登りきると遊行寺の境内となります。まずは正面の
本堂(登録有形文化財)にお参りします。関東大震災で倒壊したのち昭和12年に落成しました。阿弥陀如来坐像を本尊とし、木造としては東海道随一といわれています。
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▲遊行寺本堂 |
本堂に向かって左側の道を歩くと、南部右馬頭茂時(なんぶうまのかみしげとき)の墓があります。鎌倉幕府が滅亡した年、北条方に加わり、敵軍を突破してこの地に至り、家臣とともに自害したと伝わっています。
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▲南部右馬頭茂時墓 |
この道を奥に進むと、突き当りに
宇賀神社(登録有形文化財)があります。宇賀神社に祭られる宇賀弁財天は、徳川家の始祖とされる有親公の守り本尊で、宇賀神に子孫繁栄を請い、遊行寺に願文を添えて勧請したと伝わっています。
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▲遊行寺宇賀神社 |
御朱印をもらうには、境内に向かって左奥の
御番方を訪ねましょう。その手前にある
中雀門は、遊行寺境内で最も古い四脚門で、菊の御紋や葵の紋などが刻まれています。
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▲遊行寺御番方 |
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▲遊行寺中雀門 |
■「真教と時衆」展
真教上人は、遊行寺の開祖、一遍上人亡き後「時衆」と呼ばれた僧尼をまとめて教団として確立しました。一遍上人の旅に随行し、一遍上人没後も諸国を遊行した後、相模原市にある無量光寺に拠点を定め、教団の強化と後進の育成に努めました。
今回の展示では、重要文化財の
木造真教上人坐像を前面に押し出し、国宝の
一遍聖絵全12巻を展示室の半分近くを埋めるように展示しています。
ほかにも、国指定重要文化財や県指定重要文化財が展示され、規模は小さいながらも見応えのある展示内容となっています。
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▲遊行寺宝物館「真教と時衆」展 |
宝物館を出て帰路につきます。折しもこの日は「
藤沢市民祭り」の開催日。この遊行寺も会場の一つになっており、午後からのプロレス開催のためリングが設置されています。遊行寺境内を長髪やモヒカンヘアーで筋肉もりもりのレスラーたちが歩くのを見るのもなかな得難い経験でした。
【注】「真教と時衆」は令和元年(2019年)11月10日までの開催です。
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