神奈川県藤沢市にある
遊行寺(
清浄光寺)は、
一遍上人ゆかりの時宗総本山。「
一遍聖絵」などの国宝を有するほか、境内は自由に散策することができ、地元の人たちの憩いの場となっています。
今回は境内にある遊行寺宝物館で開催されている「
真教と時衆」を見るために遊行寺を訪れました。2019年9月
■遊行寺境内散策
遊行寺へ行くには
藤沢橋から歩きましょう。歩道の傍らにある「
江の島弁財天道標」は江の島絵の道筋に建てられた道標のひとつ。「管鍼術(かんしんじゅつ)」を考案したという
杉山検校が寄進したものと伝えられています。
![江の島弁財天道標 江の島弁財天道標](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEj88L9drhhgY51PnE6GDzWuhyfdKz71kXSvopkYzQmtU2lNK-KosVlNVPrRN7s4-A67D2ROQs7_hPGzjwlM524DmcV2wqF3wMW93LdjIKpEjkgmt6Vv0JJNB3YDB7TcA4PLudvmQ8p30BA/s400/1-IMGP7783.JPG) |
▲江の島弁財天道標 |
赤い欄干の小さな橋を渡って見えてくるのは遊行寺の
青銅製灯籠と
惣門です。この門をくぐると緩やかな坂道の
いろは坂。春にはサクラがきれいに咲くことでしょう。
![遊行寺惣門 遊行寺惣門](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiu9JkFsN6y3VHBS4ehXjGoazBV2i0LCyNAN8KuJV8JHq1F4LUtbcEADP2T06dILCCPWCGYeSHVUsZE7XQ-O6PEtTr7IWN5Rk_kWLEH6zsdxoWf9Ga6poARvL_hE7mu8UU5p7J0IQCCuGo/s400/1-IMGP7789.JPG) |
▲遊行寺惣門 |
![遊行寺いろは坂 遊行寺いろは坂](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjdfHnjszNrQd0kTM6S5wOgERS5ID7nfGi2lCTMzq60Z5rnD8YNtSNlBHlbZHZQLWNaaxGt_LZLs9nkpWWTg0_huJeqcvds1whfRFtjYXaivBfkCop99pSgNKG3CEn9G5X3YMB0L4yzWWE/s400/1-IMGP7791.JPG) |
▲遊行寺いろは坂 |
いろは坂を登りきると遊行寺の境内となります。まずは正面の
本堂(登録有形文化財)にお参りします。関東大震災で倒壊したのち昭和12年に落成しました。阿弥陀如来坐像を本尊とし、木造としては東海道随一といわれています。
![遊行寺本堂 遊行寺本堂](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjaEm1GQdhBpr4vgF1KuuqInVoi-JQgPELhPUXsZSG4UHgElAcAQsIusl2cHjHUxUnVJu1DRjtfdMly9LPv4-k3qwk6Y4iTVmkFBnBwjDO03leUvKX72a7vrdQosbkDsIiN1Ki_dEyHK7k/s400/1-IMGP7792.JPG) |
▲遊行寺本堂 |
本堂に向かって左側の道を歩くと、南部右馬頭茂時(なんぶうまのかみしげとき)の墓があります。鎌倉幕府が滅亡した年、北条方に加わり、敵軍を突破してこの地に至り、家臣とともに自害したと伝わっています。
![南部右馬頭茂時墓 南部右馬頭茂時墓](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgpxxm1ct2cALMcFnYFdV1VD0C7yQ8PrZFxBY0wOeoZsaywF5yTRoT1WP3lA1PTQF8V3RhD756R_gbu5XlBteUxDYUaFLuoOaMIXfsluiEytXTKFqGzmbIktZfAA09m-qgBXLhO-6epN0Y/s400/1-IMGP7797.JPG) |
▲南部右馬頭茂時墓 |
この道を奥に進むと、突き当りに
宇賀神社(登録有形文化財)があります。宇賀神社に祭られる宇賀弁財天は、徳川家の始祖とされる有親公の守り本尊で、宇賀神に子孫繁栄を請い、遊行寺に願文を添えて勧請したと伝わっています。
![遊行寺宇賀神社 遊行寺宇賀神社](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiIY_PXnok2rjee9iLOIH7yNqQHXWZx_MNBhFZJSLIqe6yQ0K3c5D_9fUxOqyEG6Ske9cf4AIs6VJjslD_t3TiF4UNdTfAfZkawtXAoNG-fb4tzOgXXZcmKp95yBelF2Ke5ex88I6C4D-c/s400/1-IMGP7802.JPG) |
▲遊行寺宇賀神社 |
御朱印をもらうには、境内に向かって左奥の
御番方を訪ねましょう。その手前にある
中雀門は、遊行寺境内で最も古い四脚門で、菊の御紋や葵の紋などが刻まれています。
![遊行寺御番方 遊行寺御番方](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEj8w67L0ZnBocFG7x62l98HWXpnxARofdMWH1zqVz0MOW1ToWL1ci3p9gNiXt-3j2xtu-8shwhzfVWy3pWz_jZpSnAwDu_sbEMttZTJqQ_Lhw2WcynEDCVWudkS7cwl8w6NeweG4jWN7Sc/s400/1-IMGP7809.JPG) |
▲遊行寺御番方 |
![遊行寺中雀門 遊行寺中雀門](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjFCXYMqObm-b8014pBBTi6l2pGg162LFYNYf77BUiYwdg7CXRzI5HEwDfHDd2j61CGHL-F6bKx4co1XynXnyRKb35b0URxfcY-nQnu419zhvellGbGFTl2SsvhbY9VD-RvF4UPJaSXhfE/s400/1-IMGP7795.JPG) |
▲遊行寺中雀門 |
■「真教と時衆」展
真教上人は、遊行寺の開祖、一遍上人亡き後「時衆」と呼ばれた僧尼をまとめて教団として確立しました。一遍上人の旅に随行し、一遍上人没後も諸国を遊行した後、相模原市にある無量光寺に拠点を定め、教団の強化と後進の育成に努めました。
今回の展示では、重要文化財の
木造真教上人坐像を前面に押し出し、国宝の
一遍聖絵全12巻を展示室の半分近くを埋めるように展示しています。
ほかにも、国指定重要文化財や県指定重要文化財が展示され、規模は小さいながらも見応えのある展示内容となっています。
![遊行寺宝物館「真教と時衆」展 遊行寺宝物館「真教と時衆」展](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgpgGDmT_vch7QGUQEIFW7REb_3PrBErX1TA47-G_OG9qV30UiFXyhwtE47K8lL93UBaxHERWxeLQpaP6enE4453Dnky-AHCEtv__lIAgBes7YuXB3gDomBTf5zpjkIK6aFB_e5pkW1ePo/s400/1-IMGP7811.JPG) |
▲遊行寺宝物館「真教と時衆」展 |
宝物館を出て帰路につきます。折しもこの日は「
藤沢市民祭り」の開催日。この遊行寺も会場の一つになっており、午後からのプロレス開催のためリングが設置されています。遊行寺境内を長髪やモヒカンヘアーで筋肉もりもりのレスラーたちが歩くのを見るのもなかな得難い経験でした。
【注】「真教と時衆」は令和元年(2019年)11月10日までの開催です。
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