予習をしました。 国宝大神社展

昨年秋からその開催を心待ちにしていた「国宝 大神社展」。開催まであとわずかとなりました。訪問時の理解を一層深めるために、主な展示品について、「予習」をしました。

白糸威褄取鎧ー櫛引八幡宮

まずは読み方から。しろいとおどしつまどりよろい、と読みます。

この鎧は、南部光経という人物が後村上天皇から拝領したとされる南北朝時代の代表的な鎧で、現存鎧中大型の部類に属し、保存状態もよいとのことです。




今回出展される島根・日御崎神社の国宝白糸威鎧

威す（おどす）:鎧の札（さね）を糸または革でつづり合わせること。

この鎧を所蔵しているのは、青森県八戸市の櫛引八幡宮です。いつか東北新幹線、はやぶさに乗って訪れようと思っていましたが、今回はるばる来てくれることになりました。とはいえ、相方の赤い鎧を見るのは、まだまだ先のことになりそうです。

七支刀ー石上神宮

今回の展示品のうち、最大の目玉の一つといっていいでしょう。3年前に石上神宮で人数限定で公開された時は、あとから知ったために応募することができませんでした。基本的に非公開のようで、こんなチャンスが巡ってくるとは思いもしませんでした。
石上神宮のHPによれば、「日本書紀」の記述で百済から献上されたとみえる「七枝刀（ななつさやのたち）に当たると推測されているそうで、明治期以降、剣身の銘文の解読が進められているとのこと。展示会ではこの銘文を見ることは難しいとは思いますが、いずれにしても一生に一度は本物を見ておきたい国宝の一つです。

北野天神縁起絵巻ー北野天満宮

北野天神絵巻は数多く現存するものの、京都 北野天満宮が所蔵する絵巻は鎌倉時代に描かれた、根本縁起、承久本などとよばれる最も貴重なもの。2年前に現地の宝物殿で見た時にはてっきり本物かと思っていましたが、実はレプリカでした。以来、本物を見る機会を待っていましたが、とうとうこの時がやってきたという気持ちでいっぱいです。

2011年5月に訪問した北野天満宮

絵巻は八巻が国宝に指定されていますが（下絵一巻はつけたり）、今回公開されるのは巻第八のようです。日本史の教科書で有名な、道真が雷神となって現れる清涼殿落雷 六巻第三段ではありませんが、今からとても楽しみにしています。

ほかにも、奈良手向山八幡宮の鞍や、鞆淵八幡神社の神輿、海部氏系図など、未見の国宝が数多く展示されます。

今回出展される香取神宮の国宝 海獣葡萄鏡

国宝大神社展は、4月9日から6月2日まで、上野の東京国立博物館で開催されます。



参考

大神社展公式サイト