2013年10月12日土曜日

餃子と芸術と黄鮒の町 宇都宮

国宝めぐりを始めていろいろなところに出掛けるようなりましたが、現地に行って初めて知ることがたくさんあります。例えば、土浦は花火とレンコンが有名であるとか、豊橋はちくわが名産であるとか、国宝関連で現地を訪問して初めて知ったことです。宇都宮といえば餃子があまりにも有名ですが、黄鮒(きぶな)という郷土玩具があることは昨年宇都宮を訪れた際に初めて知りました。今回は「餃子と芸術と黄鮒の町」宇都宮を訪ねます。

■カトリック松が峰教会
東武宇都宮駅を降りて最初の目的地、松が峰教会を訪れます。
この教会はロマネスク建築のカトリック教会で、太平洋戦争でり災しましたが、現在は国の登録有形文化財となっています。しかしその最大の特徴はなんといっても地元特産の大谷石でできていること。

正面から見た松が峰教会



道路側から見たところ
正面から見ると、2本の尖塔がまっすぐに空に向かってそびえたちますが、その堂々たる姿は見る者を圧倒し、カトリック教会の威厳を感じさせます。内部の見学は正面から左右にある階段を上ります。祭壇の前には行けませんが、先ほど見た外観とは対照的な厳かで慈悲深い雰囲気を味わうには十分です。エレベーター棟外側に取り付けられているカエルの形の雨どいも見逃すことはできません。


教会内部
■「川端康成コレクションと東山魁夷」展
午後は「川端康成コレクションと東山魁夷」展が開催されている宇都宮美術館に出掛けます。この美術館は、JR宇都宮駅からバスでおよそ25分、宇都宮市郊外の丘陵地帯の森の中に建てられ、平成9年に開館しました。


宇都宮美術館入口 これも大谷石製
東山魁夷といえば北山杉の絵しか知らなかった私ですが、柔らかいタッチの画風に心惹かれます。中でも、川端康成の小説「たんぽぽ」のカバーに描かれたたんぽぽの絵がとても印象的でした。
中盤の展示は川端康成のコレクションで、今回の主目的である国宝の展示もあります。「十便図」「十宜図」は池大雅と与謝蕪村が描いたもので、川端康成が「自宅を買うのを諦めてまで」収集したと伝えられています。私がこれを見たのは今回が2回目ですが、それぞれ10枚の絵があるうちの各2回目となります。期間中は頁替えによりすべてを見ることはできますが毎回来るわけにもいきません。各10枚すべてを見るにはまだまだ時間がかかりそうです。

宇都宮駅の近くには、重要文化財の旧篠原家住宅がありますが、今回は時間切れで今後の楽しみにとっておくことにします。そして、今日のお土産は黄鮒の根付にしました。今度来るときは張り子か土鈴を買おうか、などと考えながら帰路につきました。


黄鮒の「根付」
※宇都宮美術館に行くバスは本数が少ないので事前に調べておくことをお勧めします。

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