2019年11月30日土曜日

京都非公開文化財特別公開と佐竹本三十六歌仙絵

京都では毎年春と秋に通常は非公開の貴重な文化財が特別に公開されます。今回はこの特別公開で未見の建築物等を見学し、併せて京都国立博物館(以下「京博」)で開催されている特別展「佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美」展を見に京都に出掛けてきました。
新横浜駅で東海道新幹線に乗り京都駅に着いたのは午前9時前。まずは京都駅内の旅行代理店カウンターでクーポン券を京博の入場券に引き換えます。
この日はどこに行くかは決めていたけれど、どの順番で回るかは決めていませんでしたが、天気がよいこともありまずは石清水八幡宮にいくことにしました。2019年11月

■石清水八幡宮特別公開
石清水八幡宮最寄りの京阪電鉄八幡市駅を降り、石清水八幡宮参道ケーブルに乗り男山山頂駅に向かいます。参道ケーブルの車両は令和元年という節目の年にデザインを一新し、「陽の遣い(=あかね)」と「月の遣い(=こがね)」の2台で構成されています。

石清水八幡宮参道ケーブル「こがね」
▲石清水八幡宮参道ケーブル「こがね」

マットメタリック色の車体は美しく、内装な赤と黄でカラーデザインを統一的に演出、ケーブルカーが斜面を上るにつれて気分も高揚してきました。

石清水八幡宮は平安時代初め、清和天皇の時代に大分の宇佐八幡宮から遷座された由緒ある神社。本殿を始めとして10棟が国宝に指定されています。西ケーブル参道を歩いて正面に進み、境内に入ります。まずは拝殿でお参りをし、お参りを済ませたら、特別公開の内陣に入ります(内陣は撮影不可)。

楼門と回廊
▲楼門と回廊


桜門と回廊
▲桜門と回廊
内陣の瑞垣(国宝)には、左甚五郎の作と伝わるカマキリなど動植物の美しい彫刻が施されています。他にも想像で彫られたサイ(甲羅がある)、信長寄進の雨樋など、見どころが多くあります。

想像で彫られたサイの彫刻
▲想像で彫られたサイの彫刻

ケーブルカー山頂駅近くの展望台から景色を満喫して下りのケーブルカーに乗ります。エジソン記念碑や松花堂弁当の基になった社僧・松花堂昭乗の住居跡(松花堂跡)などは時間の関係で割愛です。次回来た時の楽しみに取っておくことにします。

■妙法院特別展「皇室と妙法院」と佐竹本三十六歌仙絵
京都市内に移動して京博の前を通過し妙法院に入ります。
妙法院は、天台宗の門跡寺院で三十三間堂を擁する蓮華王院の本坊に当たります。国宝の庫裏は寺院の台所兼事務室としての役割を果たしていた、桃山時代の壮大な建造物。普段は内部に入ることはできませんが、今回は特別公開ということで中に入ることができます。

妙法院庫裏(国宝)
▲妙法院庫裏(国宝)

廊下を伝い大書院の壁画なども見ることができました。また、天皇御即位慶祝記念特別展として「皇室と妙法院」と題された特別展示が開催されていました。

京都国立博物館では特別展「佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美」が開催されています。海外流出を防ぐためにやむなく切り離された30を超える歌仙絵が一堂に集まるこのイベントですが、よくもこれだけ集めたものというのが率直な感想です。

京都国立博物館(本館)
▲京都国立博物館(本館)

鎌倉時代に描かれた絵が現在もこれほどまでに美しく残されているのも驚きです。先日購入したばかりの双眼鏡も活用し、1点1点丁寧に鑑賞しました。
また、過去に間違いなく見ていたはずだけれどその記憶がほとんどなかった安祥寺五智如来坐像もしっかり自分の意識に刻み込むことができました。

さて、今回の日帰り京都の旅、残る目的地はあと一つとなりました。

■北野天満宮で雷神とご対面
地下鉄と市バスを乗り継いで北野天満宮に到着しました。今回の非公開文化財特別公開で一般公開されている物の一つに国宝の北野天神縁起があります。この絵巻はなかなお目にかかる機会がなく、これまで見たことのある物は全八巻あるうちの天人五衰の場面くらいだと思います。今回は日本史の教科書などで最も有名な雷神の場面が展示されるということもあり、旅程に組み入れました。

北野天満宮拝殿(国宝)
▲北野天満宮拝殿(国宝)

北野天満宮といえば拝殿などの建築物も国宝に指定されていますが、今回はお参りはさっと済ませて宝物殿に向かいます。

北野天満宮宝物殿入り口
▲北野天満宮宝物殿入り口

アニメ(私にはよくわかりませんが)との共同企画イベントということもあってか、館内はかなり込み合っていましたが、国宝の絵巻は雷神部分を含む2巻が展示されていました。めったにない機会なので3回ほどじっくりと鑑賞して、宝物殿を後にしました。

■旅の締めくくりはやっぱりビール??
予定していた国宝鑑賞をすべて終えてもまだ夕方4時前、ここでもう一か所今回の旅で行きたかったところがあります。それは四条にあるクラフトビールのお店。

四条のクラフトビールのお店
▲四条のクラフトビールのお店

NHKの番組で、京都で作ったホップを使ったクラフトビールが飲めるお店として紹介されていたのでぜひ来てみようと思っていました。
最初に注文したのは6種類の飲み比べセット、そしてその後にこの店一番人気のクラフトビールと京都産ホップを使ったビール(酒税法上は発泡酒)をいただきました。

クラフトビール飲み比べセット
▲クラフトビール飲み比べセット

京都産ホップを使ったビール(発泡酒)
▲京都産ホップを使ったビール(発泡酒)

お店は東京と横浜にもありますが、京都産ホップを使ったビールはここでしか飲めません。よろしければ試してみてはいかがでしょうか。

ビールをのんびりと楽しんでいる間に帰りの新幹線の発車時刻が近づいて来ました。お土産を買うのもそこそこに新幹線に乗り込みます。京都は日帰りでも十分楽しいですね。また来年も来たいと思います。

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